DJIの赤外線写真を解析可能なFLIR形式に変換できる様になりました!


こんにちは、スカイアイジャパンの今井です。

2024年8月8日 加筆修正

 

マニアックな話ですが、DJIの赤外線写真って実は解析ソフトでほとんど使えないってご存知でしたか?

もともと赤外線写真といえばアメリカ製のFLIRというメーカーが有名です。

FLIRは赤外線カメラの開祖とも言えるメーカーで、歴史も長く民間から軍事まで幅広く赤外線の製品を展開しています(身近なところでコロナに感染した時の発熱を見つけるカメラ)。

そのため赤外線カメラを使った研究や分析ならFLIR一択、みたいな状態です。なので熱赤外線画像の解析ソフトも基本的にFLIRの純正品か、もしくはFLIRの赤外線画像の規格(R-jpeg)に準じたものを利用します。

 同社はDJIにも赤外線カメラを提供していました。しかし、昨今の政治的な理由からアメリカ政府に直接DJIとの取引をやめるよう通達され、結果的に2018年にDJIとFLIRは提携を解消してしまいます。

 

あわやDJIは今後赤外線カメラを搭載できなくなるのか・・・と思いきやDJIは自前の赤外線カメラの調達に成功します。

価格もFLIRに比べ1/3に近い値段。でも性能はFLIRとほぼ同格とまるで夢のようです。

 

しかしそうは問屋がおろさなかった。

 

DJIの赤外線カメラで撮影した赤外線写真は、温度情報が従来のソフトウェアでは表示できないという致命的な欠陥とも言える構造を持っていることがわかったのです。

例えば赤外線画像解析と言えばFLIR Toolsもだめですし、Pix4Dでオルソ化するのも無理です。

 

冒頭にも書きましたが、赤外線画像の解析ソフトは基本的にFLIR純正かもしくはその規格に準じたソフトウェアです。

なので、DJIの赤外線画像は純正のソフトウェア(Terra, dji thermal analysis tool)を除いて解析に使えないのです。

 

結果として、

 

・外壁調査などの赤外線画像を一枚ずつ使った温度解析

・赤外線画像のオルソ化

・赤外線オルソ画像の温度解析

 

が利用できなくなりました。これは正直なところDJIの赤外線カメラは「使える」とは言い難い状況です。

単体の画像なら同上のdji thermal analysis toolがありますが正直なところ解析の精度としてはちょっと・・・というレベルです。 

左の画像はDJIの赤外線画像をDJI thermal analysis toolで解析したもの、右の画像は同画像を弊社で変換しFLIR Toolsで解析したものです。

 

thermal analysis toolだと温度の濃淡がはっきりせず、異常温度の箇所が見つけにくいのですが、FLIR Toolsを介すとかなりはっきり自信をもって「ここおかしいね」とわかります。

 

 

 

 

 

 

Mavic3Tで撮影し、赤外線画像をFLIR式に変換、オルソ画像化した画像です。

DJI Terraでも同様のオルソ画像はつくれますが、温度情報が絶対温度ではないため解析には向いていません。

※絶対温度表示・・・画像の色それぞれに温度が対応するため、この色は何度、この色は何度と解析が可能。対し相対温度は色と温度に関係性がなく同じ色であっても同じ温度ではないので精度の高い解析や研究分析ができない

しかし、この度弊社はそのDJIの赤外線画像をFLIR式の赤外線画像に変換するソフトウェアの導入に成功しました。

大学時代の知人のプログラマーとヒーヒー言いながらがんばったかいがありました。

おそらくですが、国内では初で世界的にもあまりないサービスだと思います。

 

撮影した赤外線画像が解析に使えない、オルソ画像にできない!

 

 

という方はぜひ、ご検討ください!

ご興味がある方はこちらのページをご確認ください。

 

 

text by 今井